ことばと猫と音楽と

英語を教える仕事をしています。猫が大好きですが、今は飼っていません。子どもの頃から大人になるまで、音楽を勉強しました。今も細々と学んでいます。食べることが大好き。

出会いは繋がっていると思う話

 40年以上生きているので、これまで本当にたくさんの人と出会いました。人生は自分の思い通りにはいかないけれど、あとから振り返ってみると、「なるほど、そのために出会ったのね」と思うことがたくさんです。

 たとえば、大学生の時に密かに憧れていたイギリス人留学生のAくん。わたしは大学が斡旋する彼のチューター(といってもただの友達)になったので、会えるときは毎日学食でランチを食べ、週末もしょっちゅう遊びに行き、かなり親しくなっていました。彼は背が高くハンサムで、テクノとかブリットポップ?みたいな、わたしの知らない音楽をたくさん知っている人でした。

 今思うと彼はゲイで、わたしは彼にとってただの友達だったのだけど、わたしは彼に身がよじれるほどの片思いをしていました。ある日Aくんは私に、「アキ、イギリスに留学してよ。アキが来たら本当に楽しいと思う。」と言ったのです。わたしはそれはもう、プロポーズされたかのように有頂天になって、両親に相談しました。すると母がボソッと「あなたが勉強したいコダーイシステムを、勉強できるところがあるなら行なさい。」と。そこであくる日Aくんに相談したところ、「僕の母さんがロンドンのコダーイセンターで勉強しているから、行ったらいいよ。」と。

これは、これは運命に違いない、わたしはイギリスに留学して、コダーイも勉強して、Aくんのお母さんとも仲良くなって、ゴールインに違いない、国際結婚ロンドンライフなんだわ!と希望を胸に膨らませすぎながら、とうとうロンドンに留学することにしたのでした。

結論から言うと、ロンドンでは早々にAくんとうまくいかなくなり、(しかしAくんのお母さんはとても良い方で、親しくしてくださり)、最終的にわたしに残ったのは、そこで勉強した英語とコダーイシステムでした。ロンドンのコダーイセンターで勉強していた折、当時の先生から「アキならハンガリーコダーイを勉強して、コダーイシステムの先生になれるよ」と言われたことを鵜呑みにし、後にわたしはハンガリーへ旅立つことになったのです。