ことばと猫と音楽と

英語を教える仕事をしています。猫が大好きですが、今は飼っていません。子どもの頃から大人になるまで、音楽を勉強しました。今も細々と学んでいます。食べることが大好き。

猫について① ろくちゃん

猫が好きなんです。とても。

犬も大好きですが、近ごろは断然猫です。


子どもの頃祖母がろくちゃんという名前の猫を飼っていました。シルバーのチンチラ、なんだろうか、白い長毛の先がほんの少しだけ黒い、緑色の目をした美しい雌猫でした。ろくちゃんは6万円だったんだって。だからろくちゃん。いかしたネーミングセンスです。


ろくちゃんは私が物心ついたときには祖母の家にいました。祖母と叔父には懐いていましたが、私は子どもだったので、あまり気に入らなかったみたい。彼女の気分が乗らないときに触れようとすると、シャーッと怖い音を立てて、猫パンチを繰り出してきます。手のひらに大きな引っ掻き傷ができたことも。


ひとりになりたい気分の日には、私がどんなに一緒に遊びたくても、ろくちゃんは押入れの奥や冷蔵庫の後ろ、テレビの陰にかくれて出てきません。そのくせ祖母のことが大好きで、ソファにいる祖母のひざに飛び乗っては、むぎむぎと可愛いおててでお腹をマッサージしていました。祖母のことがとても羨ましかった。


ろくちゃんは私が高校生の時ぐらいまで生きていたんだっけ?とても長生きだったような気がします。亡くなった姿を見なかったので、今でも祖母の家を思い出すとき、ろくちゃんが一緒に思い出されます。その後ものすごく長生きした祖母も、一昨年天国へ行ったので、きっと虹の橋の向こうで首を長〜くして待っていたろくちゃんと、再会できたことでしょう。